【初心者でも分かる】個人事業主、フリーランス、起業の違いとは? 起業支援 公開日:2022/04/26 更新日:2022/05/16 シェア ツイート はてブ LINE 個人事業主、もしくは法人として事業を立ち上げることを起業と呼びますが、そもそも「個人事業主」「法人」さらには「フリーランス」の違いがよく分からないという方もいるのではないでしょうか。 今回はそれぞれの違いや、メリットとデメリットなどについてお伝えをします。 今後事業を立ち上げたいとお考えの方は参考にしてみてください。 起業とは 起業とは、文字のとおり「新たに事業を起こす」ことを指します。 個人事業主、法人にかかわらず新たな事業を立ちあげると起業をしたことになりますが、具体的には税法上「個人事業主」と「法人」で区分されるようになるということです。 個人事業主であれば開業届の提出、法人であれば法人登記などを行い会社を設立した場合と考えてよいでしょう。 個人事業主は開業するのに費用は必要ありませんが、株式会社を設立する場合は法人登記などの手続き費用として約20万円程度を支払う必要があります。 また、法人の場合は法人格を維持するために毎年法人税と呼ばれる税金を納めます。 個人事業主とフリーランスの違い 誤解されやすいのは個人事業主とフリーランスです。 フリーランスは特定の会社に属さない「働き方」を意味しており、税法によって区分されているわけではありません。 また、フリーランスは働き方を区別するための呼称であるため、会社に属さない個人事業主や法人も含まれています。 個人事業主は、開業届を提出することで青色申告による控除の適用や経費の利用など、税法上の恩恵を受けられます。 フリーランスであっても開業届を提出していなければ個人事業主にはならないため、青色申告はできません。 個人事業主のメリットとデメリット ここからは個人事業主、法人のメリットとデメリットを確認しながら詳細な違いを見てみましょう。 まずは個人事業主として仕事をするメリットとデメリットについてです。 メリット 個人事業主は毎年確定申告を行わなければなりませんが、青色申告と白色申告から選択ができます。 青色申告をすることで、「青色申告特別控除」の利用ができ、最大65万円の節税が可能になるのがメリットです。 また、赤字を3年間繰り越すこともできるため、開業時の収入が不安定な時期には大きく役立つでしょう。 デメリット 大きな節税効果が受けられる青色申告では、「複式簿記」形式で事業に関わる費用すべてにおいて、細かく帳簿をつけておかなければなりません。 確定申告時に必要となるためです。 現代においてはクラウド会計ソフトなどによって、家計簿アプリを使うような感覚で帳簿を付けられるようになってはいますが、日々の作業が少なからず増えることがデメリットと言えるでしょう。 また、2023年10月以降はインボイス制度の導入が予定されており、毎年事業の税金を納める「課税事業者」とならなければ今後の事業存続に不利になる可能性が懸念されています。 法人のメリットとデメリット 起業を考えている人や個人事業主で、今後法人化するか迷われている方もいるかと思います。 ここでは法人によるメリットとデメリットも確認してみましょう。 メリット 法人化することによって、商号や住所、資本金などを全面に公開することになるため社会的な信用力が上がります。 個人事業主よりも法人の方が信用できるという企業の人たちも多いでしょう。 先述した「インボイス制度」の導入後も、法人であれば制度導入による打撃はそれほどありません。 また、資金調達のしやすさや経費として使える区分の幅も広がるのも大きなメリットです。 デメリット 冒頭でもお伝えしたように、法人を設立するには法人登記をする必要があり、法人登記の手続きのために約20万円程度の費用を用意しなければなりません。 また、法人設立後は赤字であっても毎年法人税を納める必要があります。 法人になると社会保険への加入が必須ということもあるため、必然的に会社を維持するためのコストが多くかかる点がデメリットです。 起業をするメリットとデメリット 開業届を提出すれば個人事業主として、法人登記を行えば法人として「起業」することになります。 会社に属する働き方と、正式に税務署へ届け出て起業をするメリットとデメリットについても触れておきます。 メリット 起業をする大きなメリットは節税のしやすさや、収入に上限がない点にあります。 サラリーマンであれば、評価制度や昇級・昇給などによって年収は上がっていきますが、会社によってはいくら頑張っても収入が上がらない、もしくは働きに見合わないということも珍しくありません。 その点、起業をすることによって事業運営のハンドルを自身が握ることとなり、雇われて働いていた頃よりも大きな収入を得られる可能性が高まります。 また、起業には定年退職という概念がないため、自身の意思によって働き続けることも可能です。 これらの観点から、自由度が高いというのが大きなメリットといえるでしょう。 デメリット デメリットとしては、起業したからといってすべての人が自身の事業一つで生活していけるとは限らないということです。 失敗に終わってしまえば大きな負債を抱えてしまう可能性があるほか、何かトラブルがあっても自身で解決策を考え実行しなければなりません。 また、軌道に乗るまでは収入が非常に不安定で、家族がいる場合は協力をお願いする場面もあるかもしれません。 起業したから収入を得られるわけではなく、起業をして収入を得るために新しいスタートを切る必要があります。 起業には大きなリスクも考えられるということを覚えておきましょう。 開業届や確定申告について 最後に起業をした際に切っても切り離せない「開業届」と「確定申告」について詳しくお伝えします。 開業届とは 開業届は、個人で事業を始めたことを税務署に知らせるための申告書類です。 正式名称は「個人事業の開業・廃業等届書」と呼ばれています。 原則として、事業をはじめて一か月以内に提出することが義務付けられていますが、現状は提出しないことで罰則を受けるというケースはありません。 ただし、確定申告を青色申告で提出する場合は「開業届」を提出していることが条件となります。 開業届は郵送や書類の持ち込みで提出することができますが、マイナンバーカードが読み取れるスキャナーやスマホ端末と、インターネット環境があればオンライン上でも提出が可能です。 確定申告とは 確定申告とは、あらゆる利益に対する税金を自身で計算し、清算するために届け出る申告書類のことです。 会社に勤めている場合は年末調整がされなかったときや、本業以外の収入が20万円を超えた年度には自身で確定申告を行う必要があります。 また、個人事業主や法人(フリーランス含む)で事業者所得がある方についても、確定申告を行います。 確定申告も開業届と同様、オンライン上で完結することが可能です。 確定申告の対象者であるにも関わらず、申告を行っていない場合は脱税とみなされてしまうこともありますので、必ず理解をしておきましょう。 まとめ 今回は個人事業主、フリーランス、起業の定義について詳しくお伝えしました。 個人事業主や法人は税法上で区分されている呼び方で、フリーランスは「働き方」の呼称のひとつです。 また、個人事業主、法人にはそれぞれメリットやデメリットが存在します。 起業を迷われている方は、メリットデメリットについてしっかり理解をして判断するようにしましょう。 シェア ツイート はてブ LINE