障がい者の就職の現状や就職するためのポイント

障がいをお持ちの方で「就職先がなかなか決まらない」「難しい」などお悩みの方もいるかもしれませんが、実際に現状の就職状況や就職率はどのようになっているのか気になっている方も多いのではないでしょうか。

今回は障がい者の方の就職の現状について調査を行いましたのでご紹介します。

また、障がい者の方が就職を目指す際のポイントについてもまとめていますので、気になる方はあわせてご覧になってみてください。

障がい者の就職状況・就職率

厚生労働省は、令和3年度(2021年)のハローワークを通じた障がい者の方の就職状況を「令和3年度 ハローワークを通じた障害者の職業紹介状況などの取りまとめを公表します」にて発表しました。

  就職件数 対前年度差 就職率(対前年度差)
身体障がい者 20,829件  804件増( 4.0%増) 35.9%(1.2%増)
知的障がい者 19,957件 156件増( 0.8%増)  57.6%(0.1%減
精神障がい者 45,885件 5,261件増( 13.0%増) 42.4%(0.2%減
その他の障がい者 9,509件  119件増(1.3%増) 41.3%(3.1%増)
合計 96,180件 6,340件増( 7.1%増)  42.9%(0.5%増)

参考:厚生労働省

内容を見てみると、全体の就職率は42.9%となっており、ハローワークを通じた求職活動は前年度(令和2年度)と比較して増加傾向にあるようです。

中でも、精神障がい者の方の就職件数が高い割合を占めており、これについて厚生労働省は一部の業界において求人数が増えたことを理由として挙げています。

また、求人数が増えたとしている産業は次の職種です。

  1. 医療、福祉(求人数9.4%増、就職率4.3%増)
  2. 製造業(求人数19.8%増、就職率18.5%増)
  3. サービス業(求人数16.9%増、就職率13.2%増)

さらにハローワークに届け出のあった障がい者の方の解雇者数は1,656人で、前年度の2,191年と令和元年度の2,074人を大きく下回る結果となっています。

障がい者の就職方法は2種類

障がい者の方が就職をする際は主に2種類の方法があります。

1つ目は障がいのことについて企業へ知らせずに就職をする「一般採用枠(クローズ就労)」での応募、2つ目が障がいについて双方合意のもと就職をする「障がい者雇用枠オープン就労)」での応募です。

障がい者雇用枠で就職をするには、一般的には障がい者手帳が必要となるため、障がい者手帳をお持ちでない場合は一般採用枠に応募をすることになります。

一般採用枠

一般採用枠では、障がい者雇用枠よりも給与水準が高く、職業の選択肢が広いといったメリットがありますが、障がいの程度や内容によっては職務の遂行が難しい可能性があります。

給与水準が高い点はありがたいですが、障がいを持っていない方と同様の勤務時間、勤務形態で働く必要があり、精神的・身体的ともに負担を感じてしまうことがあるかもしれません。

また、予め障がいのことを企業へ知らせずに働くこととなるため、万が一職務に支障をきたした場合には障がい者雇用枠のような配慮が受けられない可能性も懸念されるでしょう。

なお、障がい者手帳をお持ちの方も一般採用枠に応募をすることは可能です。

障がい者雇用枠

障がい者雇用枠では障がいに理解のある企業が求人を掲載しているため、一般採用枠と比較して負担の少ない働き方が実現できます。

さらに求職者・企業ともに合意のうえで就職をするため、万が一職務に支障をきたした場合でも柔軟に対応してくれる可能性が高いです

一方でデメリットとしては、給与水準が一般採用枠と比較して低いことや、地域によっては求人数が少ない、職種の幅が狭いなどといったことが挙げられます。

また、先にもお伝えしたように、障がい者雇用枠で採用を受けるには障がい者手帳が必要ですので、人によっては障がい者雇用枠への応募が難しいこともあるでしょう。

しかし昨今では国が主導となって障がい者雇用を積極的に推進していることから、障がい者雇用枠を用意する企業は決して少なくありません。給与水準についても近年は改善傾向にあるようです。

【障がいの種類別】就職で気をつけるべきポイントとは

障がいの種類や程度、内容は人によってさまざまで、障がいごとに就職において注意すべきポイントが異なります。

この項目では障がい者の方が就職において気をつけたいポイントについてお伝えしていますので、気になる方はぜひ参考にしてみてくださいね。

精神障がいをお持ちの方が就職する場合

精神的な障がいの場合、人間関係や小さなストレスの積み重ねなどによって症状が悪化したり、再発したりといったケースが多く、他の障がいを持つ方たちと比べると定着率が低い傾向にあります。

2017年に障害者職業総合センターが発表した「障害者の就業状況等に関する調査研究」を見てみても、他の障がいを持つ方の1年後の定着率が60%~71%前後なのに対し、精神障がいを持つ方の1年後の定着率は49.3%と低い結果となっているようです。

これらのことから、精神障がいをお持ちの場合はとくに人間関係をはじめとした職場環境が自分に合っていることが最重要と言えます。

また、一般採用枠での就職の場合は障がいの有無が分かりにくいため、障がい者手帳を持っていない方は無理のない範囲で働ける環境や職務内容を慎重に選ぶ必要があるでしょう。

とはいえ職場内の環境は実際に就職してみなければ分からない部分もあるため、在宅ワークや会話の少ない製造業など、予め対策できそうなところを考えて就職先を選ぶのがおすすめです。

発達障がいをお持ちの方が就職する場合

発達障がいは得手不得手などの個人差がとくに大きいと言われていることもあり、障がい名というよりかは「自身の特性」を十分に理解し、得意なことをしっかりと発揮できる職種を選ぶことが重要です。

・言葉の伝え方と受け取り方によってすれ違いが起こりやすい、仕事内容が理解がしにくい
・興味関心の偏りが強い
・じっとしていられない、落ち着きがない

など特徴はさまざまですが、発達障がいは人によって個性が強い傾向にあるため、比較的向き不向きの判断や対策がしやすいとも言えます。

たとえば言葉のやり取りですれ違いが発生しやすい方は「どのように伝えると理解がしやすいのか」を予め上司や周りの人に話をしておくことで仕事の進めやすさが改善されるケースが多々あります。

その他には、興味関心の偏りが強い方やじっとしていることが苦手な方はクリエイティブな仕事で大きな能力を発揮するケースも多いです。例として分かりやすいのが昨今職業としても人気の「YouTuber」で、発達障がいを公表し自身の特性を活かして制作活動をされている方も少なくない印象があります。

人によってはIT関係や経理など、専門的な業務に集中できる職種も良いかもしれません。

このように、まずは自身の得手不得手や特性を整理し、どのようなお仕事であれば活かせそうかということに焦点をあててみると良いでしょう。

てんかんをお持ちの方が就職する場合

就職活動において、てんかんを告知・申告する義務はありませんが、就職先には症状と対応方法を予め説明し理解を得ておくことが望ましいでしょう。

ただし、てんかんを申告することで仕事内容が制限されたり待遇が悪くなる可能性も懸念されますので、治療を受け服薬によって発作をある程度コントロールできることをしっかりと説明することも大切です。

また、てんかんの症状も人によってさまざまなため、目立った支障がない場合にはすぐに相手方へ提示をせず、様子をみるという選択肢もあります。

日頃から体調管理や服薬に気をつけ、そのうえで業務上の問題が見つかった場合には会社へ順序だてて説明し、周りはどうすべきなのかを伝えると良いでしょう。

障がい者の就職状況や就職のポイントまとめ

今回は現在の障がい者の就職状況や、就職の際に気をつけるポイントなどについて解説しました。

いずれの場合も、自身の特徴や症状について十分に把握し、症状や特徴にあった対策をすることが重要です。

通院をされている方は医師へ相談をしたり、就職・転職エージェントに相談をして自分にあった職種を見つけてもらうというのも有効的ですよ。

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