発達障害者の方が利用できる就労支援とは?グレーゾーンはどうすればいい?

現在では発達障害を含む、さまざまな特性を持つ障がい者の方に向けた就労支援サービスが多数存在しています。

この記事では発達障害者の方やグレーゾーンと呼ばれる方が利用できる「就労支援」について詳しくお伝えしていますので、ご興味のある方はぜひ参考にしてみてください。

発達障害者の方が利用できる就労支援とは

就労支援とは障がいによって働くことが困難な場合に、就職や社会生活のサポートを目的として実施される福祉サービスです。

対象者は発達障害をお持ちの方はもちろんのこと、身体障害、精神障害、知的障害など、さまざまな障がいを持たれている方となります。

また、「就労支援」という言葉は少々ざっくりとした言い方であり、利用者の目的やニーズに合わせてさまざまな種類が存在しています。

例えばハローワークや就労継続支援事業所、転職エージェント、就労移行支援事業所、地域障害者職業センターなどです。

これら就労支援の種類については後ほど詳しくご紹介しますね。

発達障害者の方が就労支援を受けるには

就労支援は障害者総合支援法と呼ばれる法律に基づいて作られた福祉サービスであるため、原則として発達障害者であるという医師の診断書の提出が必要です。

また、診断書以外の条件はサービスや支援機関などによっても異なり、例として以下のような条件が挙げられます。

・年齢:〇歳以上〇歳未満、など
・目的:一般企業への就職を目指す方、など
・利用期間:最長〇年まで、など
・就労状況:現在離職中であること、など

就労支援を利用するために必要な費用

利用料は支援機関やサービスなどによって異なりますが、例えば就職に必要なスキルや技術が身につけられる「就労移行支援事業所」の場合は以下のように利用料の上限が決まっています。

区分 世帯の収入状況 利用料の上限
生活保護 生活保護受給世帯 0円
低所得 市町村民税非課税世帯 0円
一般1 市町村民税課税世帯 9,300円
一般2 上記以外 37,200円

あくまでも「就労移行支援事業所」を例にとった場合ですが、月額の利用料には上限が決められており、これ以上費用が発生することはありません。

一般的な就労支援の利用料は、世帯の収入状況によって無料や減額で利用できるケースが多いようです。

発達障害者グレーゾーンの方も利用できるケースがある

疑問としてよく耳にするのが「グレーゾーンの人は就労支援を受けられないのか」ということです。

「グレーゾーン」とは、いくつか発達障害の特性が見られるものの、診断基準には達することがなく確定診断とはならない状態のことを指します。

現状ではグレーゾーンの場合、利用できる就労支援と利用できない就労支援に分かれており、診断内容というよりは現在のご本人の状況によって判断されるケースも多いようです。

そのため、発達障害グレーゾーンの方で就労が難しい方、就労支援を利用したいとお考えの方は、まずはハローワークや利用を希望する支援機関に相談をしてみましょう。

万が一相談先の支援が利用できなくても、利用が可能な別の支援機関を紹介してくれることもありますよ。

【状況別】発達障害者の方が利用できる就労支援サービス

ここからは就労支援の種類をご紹介するとともに、どのような状況、目的の方に向いているのかについて合わせて解説します。

・すぐに就職や転職をしたい
・相談やスキルアップをしながらじっくりと就労準備を進めたい

今回は上記2つの状況に分けて、それぞれに適した就労支援サービスを分類しましたのでぜひ参考にしてみてください。

すぐに就職や転職をしたい

ある程度の状態、状況が整っておりすぐに就職や転職をしたいという方は以下2つのサービス・機関がおすすめです。

  • ハローワーク

ハローワークでは障がい者雇用の求人を豊富に取り扱っているほか、障がい者専用窓口を設置しており、求人紹介から面接への同行、トライアル雇用などによって手厚いサポートを行っています。

また、障がい者専用窓口には発達障害者の方向けに「発達障害者トータルサポーター」も配置しているため、各特性に理解ある職員が適切な案内を行ってくれるでしょう。

なお、ハローワークは障がい者手帳を持っていなくても相談をすることが可能です。

  • 障がい者雇用に特化した転職エージェント

転職エージェントとは、求職者と企業の間に立って転職や就職の成功をサポートしてくれるサービスです。

現在では障がいを持った求職者に特化したエージェントサービスが豊富に存在しているため、ご自身に合った企業も見つけやすいかもしれませんね。

障がい者の就職・転職エージェントについては以下の記事でも詳しくご紹介しています。ご興味のある方は併せてご覧になってみてください。

障がい者におすすめの転職エージェント9選!難しい手続きもお任せできる無料サービスを活用しよう

相談やスキルアップをしながらじっくりと就労準備を進めたい

就職や転職に対して不安をお持ちの方や、これまでの職場で働くことが難しいと感じた方は以下5つのサービス・支援機関がおすすめです。

  • 就労移行支援事業所

「就労移行支援」とは、障がいや病気をお持ちの方が就職・転職をするために、多方面から必要なサポートを行ってくれる支援サービスです。

細かなサポート内容は事業所によって異なりますが、例としては以下のような支援を受けられます。

・仕事に役立つ知識やスキルの習得
・専門スタッフによるメンタル面におけるサポート
・職種や働き方のアドバイス
・履歴書などの添削や面接対策支援
・就職、転職後の職場定着支援
など

また、障害者手帳を持っていなくても利用できる事業所が多いため、発達障害をお持ちの方やグレーゾーンの方でも利用できる可能性が高いです。

就労移行支援については以下の記事でも詳しく触れていますので、気になる方はご覧になってみてください。

障害者支援サービスの「就労支援」ってどういうもの?内容や種類について解説

  • 発達障害者トータルサポーター

ハローワークの項目でも少し触れましたが、「発達障害者トータルサポーター」はハローワークの障がい者専門窓口に配属されている、臨床心理士や精神保健福祉士などの資格をもった支援者です。

就職を目指す発達障害者の方のカウンセリングや、就職するためのプログラムなどのサービスを提供してくれます。

発達障害者の方をはじめとして、離職や転職を繰り返している方や緊張・不安感の強い方などにおすすめです。

  • 地域障害者職業センター

地域障害者職業センターは全国47都道府県に設置されており、発達障害だけでなく障がいをお持ちの方一人ひとりに合わせた就職のためのリハビリテーションを提供してくれる支援機関です。

利用者の目的やニーズに応じて「職業訓練」「職業評価」など、就職するための専門的な支援を行っています。

  • 職業能力開発訓練校

職業能力開発訓練校では発達障害者を対象とした専用コースを用意しており、各利用者の特性に適した技能訓練を受けることができます。

訓練の内容は職場体験を活用するものから、在宅で実施できる「e-ラーニング」など様々です。

職業能力開発訓練校を利用したい場合は、はじめにハローワークへ職業能力開発訓練校を利用したい旨を伝えましょう。

  • 地域若者サポートステーション(サポステ)

地域若者サポートステーションは厚生労働省が委託している無料の支援機関です。

15歳~49歳までの「仕事をされていない方、就学中でない方」が利用でき、ご本人やご家族だけでは解決が難しい「働きだす力」を引き出し、「職場に定着するまで」を全面的にサポートしてくれます。

相談や面談から始まり、利用者に合わせて「コミュニケーション講座」「職業体験」「ビジネスマナー講座」「就活セミナー」などを通して安心して働くための準備を行ってくれるのが主な内容です。

サポステの公式サイトはこちら

障がい者の方が利用できる就労支援のまとめ

「就労支援」にはさまざまな種類の支援機関やサポート内容があり、その人ごとに異なる特性に合わせた支援を受けることができます。

発達障害者の方や、グレーゾーンと呼ばれる方でも利用できるところがありますので、就労についてお困りの方はぜひ積極的に活用していきましょう。

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