組織開発の成功事例や活用されている施策をご紹介|いま必要とされている施策とは?

企業を成功へ導くために重要とされる「組織開発」ですが、いまいち何を実践したらよいのか分からないという方も多いのではないでしょうか。

そこで今回は、組織開発でよく活用されている施策と、組織開発の成功事例を3社ご紹介します。

組織開発を取り入れている多くの企業が実践している手法ともいえますので、今後組織開発を進めていこうと考えている方はぜひ参考にしてみてください。

なお、以下の記事では組織開発における、基本的な手順について詳しく解説しています。気になる方はあわせてご覧になってみてはいかがでしょうか。

組織開発に役立つ基本的な手順とは|わかりやすいフレームワークや企業の事例を紹介

組織開発とは

働き方が多様化しつつある現代では、非正規雇用や外国人の雇用など、あらゆる人材が同じ組織の中で働くようになり、組織への帰属意識やチームワークがより重要視されています。

組織開発は、組織で働く上司と部下の良好な関係の構築や、チーム・部署間へのアプローチにより組織内の関係深め、組織としてのパフォーマンスを向上させるのが主な目的です。

1950年代から研究が始まったとされる組織開発は、すでに確立されているフレームワークも多く、組織開発に取り組む企業の中では様々な手法が取り入れられています。

組織開発のコツは「ハード面」と「ソフト面」へのアプローチ

組織開発においては、「ハード面」「ソフト面」という言葉をよく耳にしませんか?

一般的には、戦略や組織のシステムのことを「ハード面」、価値観やスキル、人材のことを「ソフト面」と呼びます。

人事評価制度の変更やマーケティング戦略など、変革が目に見えやすいハード面から着手する企業も多いかもしれません。

しかしハード面の変革を組織内に反映させるためには、個人の価値観などソフト面へのアプローチも重要です。

どちらか一方に偏るのではなく「両面」からアプローチをかけるのが組織開発のコツといわれています。

組織開発で主に活用されている施策

組織開発には様々なフレームワークがあり、そのフレームワークの中であらゆる細かな手法が用いられています。

フレームワークとは、開発や運用を行う際の基礎となる規則や思想などの「構造」のことを指します。

フレームワークの中で「1on1ミーティング」や「各研修制度」などの施策を取り入れ、上手く活用することで、組織変革の成功へと繋げるのです。

この項目では、組織開発でよく活用されている主な施策として、以下の4つをご紹介します。

  1. マネージャーやコーチングの研修制度
  2. 上司と部下の1on1ミーティング
  3. サーベイフィードバック
  4. 人事評価制度の改善

マネージャーやコーチングの研修制度

チームワークの改善や個人の能力の引き上げるには、マネージャーやリーダーの統率力が重要となります。

そのため、マネージャー研修やコーチング研修など、チームをまとめる役割を持つ従業員に対する研修は有効的とされており、各研修制度を取り入れている企業も多いようです。

とくにコーチング研修などは、従業員へのコーチングを行ったあとの効果検証も実施するとよいでしょう。

上司と部下の1on1ミーティング

1on1ミーティングは、上司と部下の信頼関係を構築するために役立ちます。

大手企業であり、当時は約5000人もの従業員を抱えていた「ヤフー株式会社」は、1on1ミーティングを導入したことによって組織開発に成功した事例として有名です。

1on1ミーティングでは、適切なフィードバックを行うことが重要なポイントとなります。

サーベイフィードバック

「サーベイフィードバック」とは、周囲の人間から従業員に対するアンケートを行い、その結果を本人や担当部署に返却することであり、組織開発の手法のひとつです。

本人の現状確認や問題点、改善点の把握ができるため、サーベイフィードバックは組織変革において注目を集めています。

ただ本人とミーティングを行うだけでなく、研修制度に組み込むなど、工夫をしてみるのもよいですね。

人事評価制度の改善

人事評価は、昇給や昇格に直結するものであるため、従業員にとってはモチベーション維持のきっかけとなることも多いのではないでしょうか。

いかに公平な評価ができるかが重要なポイントであり、人事評価制度の改善によってパフォーマンスが向上する従業員もいます。

ただし、人事評価制度の改善によってパフォーマンスが向上しても、それが一時的なものであっては意味がありません。

ほかの施策と組み合わせるなど、あくまでも手法のひとつとして考えるのがよいでしょう。

組織開発の成功事例3選

組織開発を実施し、成功している企業の事例をご紹介します。実際に行われている取り組みであるため、実施のイメージが湧きやすく、組織開発のヒントやきっかけとなるかもしれません。

  1. 参天製薬株式会社
  2. 楽天株式会社
  3. スターバックスコーヒージャパン株式会社

今回は上記3社の取り組みについて調べてみましたので、ぜひ参考にしてみてください。

参天製薬株式会社|目的意識の共有と対話の重要性

当時、参天製薬株式会社の人事本部長を務めた藤間美樹さんは、「上手くいったプロジェクトでは、現場のリーダーに目的意識をとことん共有できていた。」と語っています。

また、外部のコンサルタントを導入した際にも、リーダーやコンサルタントだけでなく、現場の声をしっかりと反映させ、「対話要素」を取り入れたことも成功の鍵となっているようです。

楽天株式会社|大規模な専門チームの設置

楽天株式会社では、2018年に「楽天ピープル&カルチャー研究所」を新設しています。

中長期の組織開発に向けた研究活動、従業員の価値観や行動指針の最適化、事業拡大や従業員のエンゲージメントに貢献する文化の醸成の3つを軸に、組織変革を図る専門部署です。

従業員数1万8千人を超えている中、大規模な専門部署を設置することで、内面のパフォーマンス向上から事業拡大まで、今もなお成長を続けている企業といえるでしょう。

スターバックス コーヒージャパン株式会社|対話要素の強化

対話を最重要として、従業員のエンゲージメントの向上に力を入れているのが「スターバックスコーヒージャパン株式会社」です。

従業員の8割が、アルバイトや契約社員の非正規雇用でありながら、ひとりひとりを「パートナー」として尊重し、人間らしさを大切にしています。

緊張感の緩和を目的としたミーティング前の「アイスブレイク」や、価値観の尊重を目的として定期的に行われる「グループワーク」など、あらゆる対話を通した施策を実施。

結果として、従業員の口コミ情報サイトであるオープンワーク株式会社(旧VORKERS)が行った、「2018年のサービス業界における顧客満足につながる社員満足ランキング」ではランキング5位を獲得するといった結果を収めています。

まとめ

今回ご紹介した3社が力を入れている取り組みは、そのほかの大手企業でも取り入れられていることも多く、組織の理念や特性に合ったフレームワークや手法を実践するのが重要であることが窺えます。

組織開発においては「エンゲージメント」や「対話」に関する施策がポイントとなりそうですね。

また、以下の記事では、組織開発のコンサルティングを専門としている企業をタイプ別にご紹介しています。自社だけでの解決がどうしても難しいという場合には、検討してみてもよいかもしれません。

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