国内で不動産投資を行っている方や、新たに不動産投資をはじめようと考えている方の中には、海外の物件購入を検討されている人も多いのではないでしょうか。
少子高齢化や人口減少が問題となっている現代において、人口や経済の豊かな他国での不動産投資は、収入面において魅力的に思えるのも頷けます。
しかし、日本とは言語や文化が異なる海外での不動産投資は、事前にある程度の情報を得ておかなければ失敗してしまう可能性も十分に考えられるのです。
今回は海外での不動産投資における、よくある失敗例をもとにどのような対策をすべきかについてお伝えします。
海外で不動産投資を行うメリット
画像出典:総務省
総務省が発表している平成30年版「情報通信白書」のグラフを見てみると、2015年頃からすでに日本の少子高齢化が始まっていることがはっきりとわかります。
さらに近年の日本における社会情勢や経済状況は、詳しい知識がない人でもポジティブな状態ではないことが肌感覚で感じられるのではないでしょうか。
一方で、このような状況下でも海外へ目を向けてみると、マレーシアやフィリピン、アメリカなど一部の海外国では人口が増加している地域が多く存在します。
人口が増加している海外では必然的に物件の需要が高まり、それに伴い将来的な不動産価格の値上がりが期待できるのです。
また、人口が増加していれば日本での不動産投資よりも空室リスクを抑えられるほか、不動産物件における分散投資によって自然災害などのリスクを抑えられるといったメリットもあります。
プレビルドでの購入による失敗
さっそくですが、海外での不動産投資における失敗例を交えながら、対応策について考えていきましょう。
ひとつめは「プレビルド」と呼ばれる物件の購入にかかわる失敗例です。
プレビルドとは物件が建設される前に物件費用の一部を支払う方式であり、海外不動産市場においては一般的な物件の購入方法となっています。
海外の不動産投資では、プレビルドで物件を購入した場合に「不動産会社や不動産開発業者(デベロッパー)の倒産」といった大きなリスクが存在します。
不動産会社などの倒産によって建設業者までもが頓挫してしまい、結果としてプレビルドで支払った多額の金額が戻ってこないという失敗に繋がるのです。
なお、プレビルドでは建設が完了するまで家賃収入が得られないため、余裕のある資金を準備する必要があります。
プレビルドで物件を購入する際の注意点
不動産会社やデベロッパーが倒産するリスクは、予測できるものではありません。
倒産の原因として考えられるのは自然災害や経済状況の悪化などですが、そのような状況でリスクが大きいのは設立されたばかりの企業や中堅企業です。
プレビルドによる失敗が怖い方は、大手のデベロッパーを仲介するとリスクが抑えられます。
ただしリスクをゼロまで下げられるわけではないので、細心の注意を払う必要はあるでしょう。
カントリーリスクに関わる失敗
カントリーリスクとは、国・地域特有の社会情勢によって資産価値が変動した場合に考えられるリスクのことを指します。
とくに日本国内に在住している場合、不動産投資を行いたい国があったとしてもカントリーリスクを予測するのは非常に難しいでしょう。
実際にどのような現象が「カントリーリスク」と呼ばれるのか、いくつか例を挙げてみます。
- 急激なインフレ
- 戦争、内乱
- 経済政策や社会政策の変更
- 自然災害
- 国債の支払いが滞る
代表的なものは上記5つです。
海外の不動産投資においては、カントリーリスクによって購入した不動産物件の価値が急落してしまうこともあり、失敗に繋がる可能性が考えられます。
カントリーリスクを避けるには
世界には、海外の社会情勢や経済状況を分析している会社が存在しており、インターネット上で調べられます。
カントリーリスクについてもリスクをゼロにすることはできませんが、できるだけ失敗のリスクを回避するためには「正しい情報と知識」を得ることが最重要です。
目ぼしい海外不動産の投資先を見つけた場合は、現在の経済状況や社会情勢の分析調査資料を探してみましょう。
カントリーリスクの調査におすすめなのが、株式会社日本貿易保険が発表している「国カテゴリー表」です。
国カテゴリー表では、国ごとにカントリーリスクを分類し、リスクの低い順にA~Hで評価付けされており、随時更新されています。
管理会社の倒産による失敗
海外の不動産投資では、ある日突然入金がされなくなり、自分から連絡して初めて「管理会社が倒産した」と知らされるケースがあります。
現地に出向くことが難しいうえ、日本国内からの物件購入となるとどうしても管理会社を利用する必要があり、こうしたトラブルが起こりがちです。
いくら収益性が高くても、信頼できそうな管理会社を見極めて投資をする必要があるといえます。
管理会社倒産のリスクに対応するには
前述したような管理会社倒産のリスクを回避する方法として、海外不動産を取り扱う日本国内の不動産投資会社を利用することが挙げられます。
とくに現地ツアーを行っているような不動産投資会社であれば、現地との交流があることが考えられるため、現地の情報が手に入れやすくなります。
海外不動産を取り扱っている国内の会社があれば、ぜひ話を伺ってみるとよいでしょう。
海外送金の規制による失敗
国によっては、海外から日本への送金に対して規制をかけている場合があります。
また、日本でも海外から多額の送金があった場合、その内容について調査されることもあるのです。
日本を含む世界においては多額の使途不明金や怪しい多額の資金移動を排除する「アンチマネーロンダリング」の動きが見られ、たとえばベトナムなどは海外への送金に対して多くの規制をかけています。
海外送金の規制による失敗を避けるためには
前述した失敗を避けるためには、不動産投資をしたい国の「海外への送金」に関する情報を入手しましょう。
どのような規制があるのか、どのようにすることで日本への送金が可能なのかなどを調べることで、事前にリスクを回避できます。
また、日本国内でも送金先や送金元を明確にしておくほか、不動産売買の契約書や決済清算書などの信ぴょう性の高い書類を用意しておくと安心です。
施工不具合による失敗
プレビルドで物件を購入し物件が完成した場合でも、施工不具合によって部屋を貸せないといったトラブルも耳にします。
完成を優先させる海外デベロッパーの性質が、このようなトラブルに繋がっているのでしょう。
物件の完成後に不具合が発覚しても、契約上の都合によりアフターサービスとして対応してくれないことがあり、そうなると多額の資金損失を招く事態となってしまいます。
施工不具合による失敗のリスクを軽減するには
とくにプレビルドで物件を購入する際は、事前に契約内容を確認することが重要です。
また、契約内容に記載がない場合であっても、物件完成後の施工不具合が発覚した際にどのような対応が可能なのかを必ず相談しておきましょう。
逆に海外不動産で投資するデメリットとしては、賃貸管理の難易度が高いことです。特に海外の賃貸管理会社とのコミュニケーションがうまくいかず、思わぬトラブルが発生します。
日系の賃貸管理会社は限られるため、依頼できるとは限りません。現地に足を運び、直にやりとりすることが重要です。
— 後藤伸 / Shin_Goto|スタッフ経済配信 (@arttrade_goto) April 13, 2022
まとめ
本稿でご紹介したように、海外での不動産投資には日本とは異なるリスクが存在します。
海外の不動産投資で失敗しないためには、事前に入念な情報収集を行い、できるだけリスクを下げるよう努めましょう。
また、いきなり海外の不動産へコンタクトをとるのではなく、国内の不動産投資会社へ問い合わせてみるのも手段のひとつです。
慎重に検討し、堅実な不動産投資を行いましょう。
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