海外不動産投資のメリットとデメリットを理解しよう

海外不動産投資は、国内での不動産投資とは異なるメリットが得られる反面、海外ならではのデメリットも存在します。

メリットだけでなくデメリットもしっかりと把握したうえで投資をしなければ、想定外のトラブル発生時に落ち着いた判断ができなくなってしまうこともあるのです。

今回は海外不動産投資におけるメリットとデメリット、海外での不動産投資におすすめの国を3か国ピックアップしました。

これから海外不動産投資をはじめようと考えられている方はぜひ参考にしてみください。

海外不動産投資で得られるメリット

海外不動産投資におけるメリットとしては、主に高い利回りが期待できることや、分散投資によるリスク回避などが挙げられます。

以前は個人でも減価償却によって大きな節税対策が可能でしたが、2020年度の税改正により不可能となりました。

しかし、節税策に対する規制が厳しくなってしまった現在でも、海外不動産投資を新たに始める方や、継続して海外不動産投資を行っている人が多いのにはメリットが大きいことが背景にあるのでしょう。

なお、海外不動産投資の節税策については以下の記事で詳しく解説しています。気になる方はあわせてご覧になってみてください。

海外不動産投資で節税ができなくなった背景と今後の対策とは

メリット1.国内よりも高い利回りが期待できる

  1. インカムゲイン(家賃収入)
  2. キャピタルゲイン(不動産の売買差益)

不動産投資のリターンはインカムゲインとキャピタルゲインの2種類に分類され、その国の物件需要や経済成長率が大きく関わっています。

海外では日本国内を大きく上回るほど人口が増加中の国や、今後も人口増加が見込める国は複数存在し、そのような国では家賃収入の増加が見込めるうえに、継続的に安定した家賃収入を得られる可能性が高いです。

また、人口増加や経済成長が見込める国では、必然的に不動産の需要も高く、売却時においても大きな収入を得られるでしょう。

このような観点から、長期的に見て人口が減少傾向にある日本と比べると、海外不動産投資によるメリット大きいといえます。

メリット2.分散投資によるリスク回避

日本国内でのみ不動産物件を保有していると、不動産価格が暴落した際の損失を集中的に受けることとなってしまいます。

海外の不動産物件と、日本の不動産物件の2種類に投資先を分散しておくことで、万が一日本で価格の暴落が起こっても、海外の不動産物件が影響を受けることはありません。

また、2か国での分散でも十分にリスクを抑えられますが、3か国以上の国に分散するという方法もあります。

不動産投資で複数の物件保有を検討されている方は、ぜひ分散投資も視野に入れてみてください。

海外不動産投資で考えられるデメリット

次に海外での不動産投資におけるデメリットを考えてみましょう。

海外不動産投資で考えられるデメリットは以下の4点です。

  1. 従来の節税策が活用できない
  2. 為替変動によるリスク
  3. カントリーリスク
  4. 融資制限

メリットよりもデメリットのほうが多く挙げられていますが、これらをしっかりと把握しておくことで慎重に投資国を検討できるようになり、メリットによる大きな利益を得られる可能性は高くなります。

デメリット1.従来の節税策が活用できない

先述した通り、個人の海外不動産投資においては減価償却による節税策はできなくなっています。

これは2020年度に施行された税改正によるもので、日本での税収が増えないことや、日本と海外での資産価値が大きく異なるにも関わらず、日本の税法がそのまま適用されていたことが問題視されていたためです。

とはいえ、年数経過による物件資産の価値が落ちにくい海外では、中古物件であっても借り手が見つかりやすいのが特徴です。

経済成長率の高い国や人口が増加している国をしっかりと見極める、本来の海外不動産投資におけるメリットを最大限に傍受するだけでも十分な利益となります。

デメリット2.為替変動によるリスク

海外での不動産投資で得た収入はその国の通貨で受け取りますが、万が一投資国の通貨の価値が下がってしまった場合は、家賃収入や売却差益が少なくなってしまう可能性が考えられます。

通過の価値が下がる可能性があるということは、価値が上がる可能性もあるということなので、為替変動が一概にリスクであるとは言えませんが、こうしたデメリットがあることは頭の隅に入れておきましょう。

デメリット3.カントリーリスク

その国特有の社会情勢によって資産価値が下がってしまうことを「カントリーリスク」と呼びます。

カントリーリスクの例として挙げられるのは、急激なインフレや戦争・内乱、経済政策や社会政策の大きな変更などです。

カントリーリスクを100%避けることは難しいですが、投資を検討している国の経済状況や社会情勢は事前にしっかりと調べておきましょう。

デメリット4.融資制限

一般的に、海外の金融機関での融資は、日本の金融機関よりも融資条件が厳しいといわれています。

また、金利についても日本よりも高く設定されていることが多いため、資金は余裕を持たせて準備しておく必要があるでしょう。

海外不動産投資でおすすめの国3選

海外不動産投資について全く知識がないという方は、そもそもどの国を選べばよいのか分からない方も多いのではないでしょうか。

以下の国で海外不動産投資を行ったからといって必ずしも成功する保証はありませんが、投資国の候補として参考程度に見てみてください。

1.フィリピン

2021年時点で、フィリピン全体の人口は2015年の前回調査時から5年間で800万人も増加しているとの情報が発表されています。(日本貿易振興機構より)

フィリピンの首都といえばマカオですが、首都圏でも1,000万円前後で物件が購入できることもあり、海外不動産投資を行っている投資家の中でも人気のエリアです。

人口増加と経済成長率の高い国ということから、海外不動産の投資先として検討してみてもよいかもしれませんね。

2.マレーシア

マレーシア政府の統計によると2010年以降の10年間、不動産は値上がりを続けているとのことで、非常に高い安定性が期待できます。

また、マレーシアは経済成長も安定的に向上しており、東南アジアの先進国ともいわれるほど発展を続けていることも特徴です。

しかしリスクが他の国と比較して低い反面、マレーシアでの不動産投資に参入する人たちも多く、住宅の供給過多が問題点として挙げられています。

マレーシアで海外不動産投資を行う場合は、より慎重に物件を選ぶ必要があるでしょう。

3.タイ

タイでは、不動産管理を現地で行う日本人も多く、他の国と比較して物件の管理がしやすいというメリットがあります。

海外不動産投資における難点のひとつとして挙げられるのは、コミニュケーションのすれ違いによるトラブル発生の可能性です。

周辺の国と比べると、将来性は不透明な部分もありますが、自身で確実に物事を理解しながら投資を進めていきたいという方は、タイの現地にいる日本人の不動産エージェントのサポートのもと、海外不動産投資を行うのもよいでしょう。

海外不動産投資のメリットとデメリットまとめ

海外不動産投資は、成功すれば長期間にわたって安定的な家賃収入が見込めるうえ、売却時においても大きな売却差益が見込める投資の手法です。

しかし、日本とは異なるカントリーリスクや為替変動によるリスクも考えられます。

こうしたデメリットもしっかりと把握をしたうえで投資国を検討し、挑戦してみてくださいね。

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