不動産投資でできる節税効果の仕組みを分かりやすく解説!

投資が流行しているともいえる現代では、国内や海外での「不動産投資」が注目されており、始める人も増えています。

不動産投資で節税ができることは、聞いたことがあるかもしれませんが、具体的にどのようにして不動産投資で節税ができるのかは分からないという方は多いのではないでしょうか。

今回は、国内の不動産投資で節税する方法や、不動産所得に課せられる税金などについて、詳しく解説します。

なお以下の記事では、海外での不動産投資の節税についてお伝えしていますので、気になる方はあわせてご覧ください。

海外不動産投資ランキング!おすすめの国と不動産投資会社3選

不動産所得に課せられる税金の種類

不動産投資で節税をするには、税金の仕組みを十分に把握しておく必要があります。

まずは不動産所得にかかる税金の種類から知っておきましょう。

不動産の所得は、事業所得もしくは譲渡所得に該当するものを除き、以下の3つに分類できます。

(1)土地や建物などの不動産の貸付け
(2)地上権など不動産の上に存する権利の設定および貸付け
(3)船舶や航空機の貸付け

引用:国税庁

上記のうち、不動産投資で節税をしたい場合は(1)の「土地や建物などの不動産の貸付け」による所得が主となり、この所得に「所得税」が課税されます。

不動産所得の計算方法

不動産の所得は以下のように計算します。

不動産投資期間中の総所得-必要経費=不動産所得

課せられる所得税の金額は、上記の計算で算出された金額に応じた税率が適用される仕組みです。

また、不動産投資以外に収入や給与がある方は、課税対象の所得金額と不動産での所得金額の合計で算出しますので注意しましょう。

不動産投資でできる節税のポイント

不動産投資で節税をするためには「確定申告」が必要不可欠です。

不動産収入を得ている方は原則として確定申告をする必要があり、その際に確定申告を理解していなければ、不動産投資での細かな節税を実現することが難しくなります。

確定申告の際に知っておくべきポイントは以下の5つです。

  1. 青色申告or白色申告
  2. 不動産投資で「経費」にできる項目
  3. 減価償却費
  4. 専従者給与の活用
  5. 損益通算

1.青色申告or白色申告

確定申告には「青色申告」と「白色申告」の2種類があり、不動産所得をどちらで申告するかを考える必要があります。

青色申告を行うには開業届と、青色申告承認申請書を提出しなければなりませんが、青色申告には最大65万円控除が受けられる「青色申告特別控除」と呼ばれる特典があるのが大きなメリットです。

一方で白色申告は帳簿のつけ方が簡単ですが、青色申告ほどの特典はありません。

2.不動産投資で「経費」にできる項目

不動産投資および確定申告で節税をする場合「経費」がとても重要なポイントです。

経費の金額が大きいほど総所得は減りますので、結果として所得税や住民税の削減に繋がります。

不動産投資において経費に組み込める項目は9種類ほどです。

経費にできる項目を把握し、上手く節税に繋げましょう。

  • 管理費

所有している不動産を管理するために必要な経費です。

たとえば不動産物件にかかわる設備の保守や、日常的な清掃、点検作業費用、消防点検に必要な費用などが当てはまります。

  • 修繕費

部屋の修理やクリーニングで発生した費用を経費に組み込むことができる項目です。

  • 修繕積立金

不動産物件は経年劣化していくものなので、将来的に必要となる修繕費に備えて積み立てておくお金です。

  • 管理会社への委託料

不動産物件を管理会社へ委託する場合、経費とすることができます。

  • ローンの利息

不動産物件をローンで購入した場合は、その利息を経費として計上することが可能です。

ただし、元金の返済分は経費に含むことはできません。

  • 税金

物件購入時に発生した印紙税のほか、不動産所得税や固定資産税、都市計画税なども経費に組み込めます。

  • 減価償却費

減価償却費については次の項目で詳しくお伝えしますが、不動産物件や設備などの減価償却費も経費として計上できます。

  • 損害保険料

地震や火災など、自然災害に対して備える保険料も経費として組み込むことが可能です。

  • その他

たとえば不動産投資の勉強のために購入した書籍代金や、不動産運営のための打ち合わせにかかった旅費交通費なども、経費にできます。

3.減価償却費

先ほど、経費に計上できる項目として「減価償却費」を挙げましたが、この減価償却費についても不動産投資で節税するための重要なポイントのひとつとなります。

減価償却費とは、「資産は時間の経過によって価値が低くなっていく」という考えのもとに設定された勘定科目です。

不動産物件の取得にかかった費用を定められた「法定耐用年数」で分割し、毎年の経費として計上します。

法定耐用年数は、たとえば木造であれば22年、鉄筋コンクリート造であれば47年などと決められており、年数内であれば毎年分割した費用を経費とすることができるため、節税に大きく役立ちます。

海外での不動産投資では、不動産物件の価値の下がり方が異なるため減価償却費を使った節税ができなくなりましたが、日本国内での不動産投資においては、この節税策を活用することが可能です。

経費が増えるということは、その分所得額も減り、結果として所得税を減らすことができます。

なお、減価償却の対象に「土地」は含まれません。

4.「専従者給与」の活用

青色申告での勘定科目として「専従者給与」という項目があります。

家族への給与支払いに当たる出費を専従者給与として経費にできれば、その分所得額を減らせますね。

5.損益通算

損益通算とは、必要経費を差し引いた合計所得を算出した際に不動産所得に赤字がある場合、ほかの黒字の所得から赤字の所得を差し引いて計算ができる項目です。

そのため、損益通算は不動産収入のほかに、給与所得(本業)がある場合に活用できます。

たとえば本業の所得が500万円で、不動産所得に100万円の赤字がある場合、不動産金額の赤字分を差し引いた400万円が課税対象額となります。

不動産投資をする際の注意点

ここまで不動産投資における節税のポイントや仕組みを解説しましたが、なんとなく節税のイメージは湧いたでしょうか。

最後にこれから不動産投資をはじめようと考えている方に向け、不動産投資を実践する際の注意点についてお伝えします。

不動産投資において心得ておくべきことをしっかりと把握し、堅実に資産を増やしていきましょう。

「節税」だけにとらわれない

不動産投資は動く金額が大きいだけに、節税できる金額も大きくなります。

しかし、不動産投資を行う本来の目的は将来的な収入を増やしたり、資産を構築したりするためです。

節税や相続、贈与を見越して物件を購入すると、場合によっては税務署から指摘を受けてしまう可能性もありますので、十分に注意しましょう。

あらゆる節税方法を視野にいれる

節税ができるのは不動産投資のほかにもいくつかあります。

少額投資非課税制度の対象となるNISAや、個人型確定拠出年金のiDeCoなども現代に合った節税方法といえますので、ぜひそうした他の節税策についても検討してみましょう。

不動産投資でできる節税方法のまとめ

不動産投資での節税において重要となるのは、税金の仕組みや確定申告を理解しているかどうかです。

とくに確定申告における経費の項目はしっかりと把握し、適切な判断で経費として計上しましょう。

また、減価償却費と損益通算についても、節税においては抑えておきたいポイントです。

正しく確定申告をすることで大幅な節税が見込めますので、税金の仕組みや確定申告についてはぜひご自身でもリサーチしてみてください。

 

タグ一覧