障害者向け就労支援事業所とは?内容や全国の事業所一覧をご紹介

障がい者の就労支援事業所は、一般企業への就労を目指す障がいや難病をお持ちの方が、働くための知識やスキルを身につけられる福祉サービスです。

「就労支援事業所」と言っても「継続支援」や「移行支援」などいくつか種類がありますので、今回は「就労移行支援事業所」に着目し掘り下げていきます。

なお、就労継続支援事業所については以下の記事でも詳しくご紹介しているため、気になる方はあわせてチェックしてみてください。

障がい者就労支援施設のA型とB型の違いとは?収入や雇用形態についても解説

就労支援事業所の「就労移行支援」とは

冒頭でもお伝えしたように、「就労支援事業所」にもいくつか種類があります。

  1. 就労継続支援事業所
  2. 就労移行支援事業所
  3. ハローワーク
  4. 地域障害者職業センター
  5. 障がい者就業・生活支援センター
  6. 障がい者職業能力開発校

大まかに上記のように分類ができますが、中でも今回記事で取り上げる「就労移行支援」は、一般企業への就職を目指す障がい者や難病をお持ちの方が、支援員のサポートを受けながら必要な能力や知識を身につけることができる福祉サービスです。

これは「障害者総合支援法」と呼ばれる法律に基づいて作られた福祉サービスであり、能力や知識の指導だけでなく、就職活動のサポートや、就職後の定着支援までも行ってくれるものとなっています。

なお、就労移行支援事業所では、障がいや難病の状況や程度、症状などに合わせつつ学校のように通いながら支援を受けられるという点も特徴です。

就労移行支援事業所は誰が運営しているのか

就労移行支援事業所は、主に民間企業や社会福祉法人、NPO法人などによって運営されています。

また厚生労働省が発表した資料によると、令和元年度の就労移行支援事業所の数は全国に3090か所、中でも営利法人による事業所の割合が増加している様子です。

利用者数は令和元年度時点で33,548名となっており、多くの方が就労移行支援事業所を活用されていることがわかります。

(参考資料:厚生労働省「障害者の就労支援について」

就労移行支援の利用期間は?

就労移行支援事業所では、原則として2年間までの決められています。

期間内に利用者が自立して働き続けられるようになることを目指し、担当支援員が手厚くサポートをしてくれますよ。

ただし必要性が認められた場合に限り、最大で12か月の更新を受けることも可能です。

就労支援事業所の「就労移行支援」を利用できる人

就労移行支援事業所は全国に多数設置されていますが、対象者は共通して以下のように定められています。

  1. 原則として18歳以上65歳未満の方
  2. 身体障害、知的障害、発達障害、難病をお持ちの方
  3. 一般企業への就労を希望しており、なお且つ就労が可能と見込まれる方

身体障害では難聴や盲、肢体不自由、内部障がいなどが当てはまり、精神障害の場合はうつ病や統合失調症、適応障害、てんかん、双極性障害などが該当するでしょう。

発達障害の場合、自閉症スペクトラム障害、アスペルガー症候群、注意欠陥や多動性のADHD、学習障害などが該当します。

就労移行支援に障害者手帳は必要?

一般的には、就労支援事業所の利用は障害者手帳をお持ちの方が対象となっていますが、「就労移行支援」の場合は障害者手帳を持っていなくても利用することが可能です。

ただし、障害者手帳をお持ちでない方が利用する際は「障害福祉サービス受給者証」を用意する必要があり、医師の診断書や意見書を持って行政窓口に提出をすることで発行してもらうことができます。

障害福祉サービス受給者証とは、「就労移行支援事業所」などの障害者総合支援法や児童福祉法に基づいて提供されているサービスを受ける際に必要となる書類で、行政からの給付金を受けながら福祉サービスが受けられるようになる証明書です。

なお「障害福祉サービス受給者証」と「障害者手帳」では取得基準が異なります。

そのため、障害者手帳を取得できなかった方でも「障害福祉サービス受給者証」を取得できる可能性は十分に考えられます。

就労支援事業所の「就労移行支援」のサービス内容

  1. 個別支援計画
  2. 職業訓練
  3. 適正に合った職場探し
  4. 就職後の定着支援

就労移行支援事業所では、主に上記4つの段階を踏んで一般企業への就職を目指します。

1.個別支援計画(通所前期)

就労移行支援事業所へ入所した際の第一ステップです。

はじめに担当支援員と利用者が面談を行い、障がいの内容や状況、希望などを話し合います。

担当支援員はそれらのヒアリング内容をもとに、今後どのように利用者と歩んで希望の就職先を目指していくかという「個別支援計画」を作成し、次のステップからは計画内容を基に動くこととなります。

2.職業訓練(通所前期・中期)

一般企業などへの就職へ向けて、事業所に通いながら必要な能力や知識を身につけるための訓練を行います。

利用者一人ひとりに合わせたプランで訓練を行うため、無理のない範囲で少しずつステップアップしていくことが可能です。

例えば「毎日通うのが難しい」という場合には、毎日休まず通うという実績を作るところからスタートしたり、通うこと自体に問題のない方は技術習得のためのプログラムへステップアップしたり、一般企業での職場実習をしたりなど、多岐に渡ります。

また、事業所内での作業内容によっては工賃をもらえることもあり、モチベーションの維持にも繋がるでしょう。

3.適正に合った職場探し(通所後期)

希望の職業で働ける程度の能力や知識が身につくと、次は職場探しのステップへ移ります。

事業所内での自己分析や企業研究をもとに、担当支援員は面接や履歴書作成などの就職活動に関わるサポートも行ってくれますよ。

ただし、制度の関係上「就労移行支援事業所」が直接職業紹介を行うことはできません。

そのため、ハローワークや障害者就業・生活支援センター、障害者職業センターなどの各機関と連携を行い、利用者の適正に合った職場探しのサポートを行うことが主な内容となります。

4.就職後の定着支援(訪問期)

就労移行支援事業所では、原則として6か月間の職場定着支援を行ってくれることになっています。

担当支援員が企業と利用者との間に立って各面談を行いながら、問題や課題がある場合には解決を目指し、月日をかけて徐々に介入の頻度を減らしていきます。

定着支援を経て、最終的には就職した利用者が自立して働き続けられるようになることが主な目的です。

お近くの就労支援事業所を探す方法・一覧

就労支援事業所、もしくは就労移行支援事業所を探したい場合はWEB検索から探し出すことができますが、厚生労働省のホームページでは都道府県別に支援事業所のリンクが掲載されているため探しやすくおすすめです。

厚生労働省ホームページに掲載されている就労支援事業所の関連ページとしては、以下のようなリンクがあります。

・北海道:ナイスハートネット北海道
・宮城県:みやぎセルプ協働受注センター
・茨城県:茨城県共同受発注センター
・栃木県:とちぎセルプセンター
・群馬県:群馬県内の障害者施設等製品・作業の施設一覧(群馬県庁HP)
・埼玉県:指定施設・事業所一覧(埼玉県庁HP)
・長野県:長野県セルプセンター協議会
・岐阜県:ナイスハートネット岐阜県
・三重県:指定事業所一覧(三重県庁HP)
・京都府:京都ほっとはあとセンター
・大阪府:おおさか障がい者就労施設ガイド
・鳥取県:は~とふるTOTTORI
・徳島県:障がい児・者サービス事業所(施設)一覧
・香川県:ヨロコビ
・沖縄県:障害福祉サービス指定事業所情報(沖縄県庁HP)

そのほかにも多数掲載されていますので、よろしければ厚生労働省のホームページもご覧になってみてください。

障害者向け就労支援事業所のまとめ

冒頭でもお伝えしたように、就労支援事業所にはいくつかの種類があり、目的やニーズによってサービス内容が異なります。

中でも今回ご紹介した「就労移行支援事業所」は、一般企業への就職を目指す障がい者の方や難病をお持ちの方におすすめです。

利用期間は2年間以内となっており、ゆっくりと時間をかけて目標を目指していくことができますよ。

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